Bias Crashersのブログ

<a href="http://biascrashers.com">http://biascrashers.com</a> で創作活動してるBiasCrashersのピュシスが何かしらかを綴るところです

2016年末ポーランド旅行雑感

ポーランドを旅して参りました。6泊。
『黒猫』でレイ・ダーニングというキャラを世に送り出したからには、一度はオシフィエンティムに行かねばならないと思っていたので、果たせて良かったです。

全体的に

ポーランドまじオススメです。今、ヨーロッパに行ったことなくて行ってみたい、という人に、一番オススメできる国かもしれない。テロないし(今のところ。まあ、そもそも関係してないし)
あちらこちらに、建物の雰囲気とか、旧共産圏なかおりがしていて、「うぉぉ……何だこのうすら怖さ……」と感じてしまう箇所があったりするのは、たぶん、ピュシスのバイアスのなせるわざなのでしょう。帰国する頃にはだいぶ薄らぎました。

設備とかあれこれ

  • ホテル
    日本人が選んで泊まるようなところは、概ねレベルが高いです。   途中まで共産主義の国で観光立国としては遅れたからというのがあるからか、いわゆる「ヨーロッパのホテル」でイメージする、古くからある伝統的で風情はあるけれど設備的にはかなりガタガタ~というのとは全然異なり、むしろ近年台頭してきているアジア圏の立派なホテルが揃っているという感じ。
    水回りも、シャワーで水が出てきて困ったというホテルに遭遇したのは1/5で、赤錆が出てきたのも1/5でしたので、他のヨーロッパ諸国に比べれば断然良い方でしょう。

  • トイレ
    ドイツへ行ったときにも驚いたのですが、かなり清潔でレベルが高い。ただ、ドイツはほぼ全て有料であったのに対して、ポーランドは軒並み無料だらけで、これはスゴイです。
    いや、日本の新しめな公衆トイレと比べてはいけないのですが(あれらは本当、世界有数の異次元クラスだと考えて良いと思う。数もおかしい)
    ただ、トイレの数が少なめで、高速道路のサービスエリアに男女あわせてトイレ1つだけ、というところもあったり。
    あまりトイレの話を多くしていくと細田某がざわめきだすのでこのへんにしておこう。

  • ガソリンスタンド
    コンビニより数が多い上に、全てにコンビニのようなストアが併設されている。トイレは無料だし、ストアでは独自の割引していたり、ちょっとしたホットな軽食も並んでいたり、あと、車社会な雪国ということもあってか、車関連の道具がたくさん売られていたりで、至れり尽くせり感がすごい。
    ほぼすべてで見たところ06-23時で営業しているらしい。マジ勤勉。

  • フリーWiFi
    わりとあちこちにフリーなWiFiが。秘匿通信はおこなわない方がいい(普通そんなのほぼないでしょうけれど)
    っていうか、日本(東京)のノンフリーなこの状況、マジで何とかしないと、2020年に血を見るぞ……

  • ショッピングセンター文化
    あちこちに巨大なショッピングセンター・モールがあります、いわゆる郊外型展開のAEONみたいなのが、ほんとう、都会から田舎まであちこちに。驚いたのは、オシフィエンティム駅前で、元強制収容所からそんな離れていないところに、華やかなりし巨大なショッピングモールが。日本でいえば、広島の原爆ドームの数百メートル離れたところにAEONモールがドーンっと立っているような感じですよ。このあたりの力強さ、いいなーと思いました。
    あと、IKEAH&M大好きみたいで、たくさん店舗あります。とあるホテルでは、レストランのインテリアから食器にいたるまで、全部IKEAで統一されていた……IKEAの店内にいるのかと錯覚するレベルだった。

文化風習とか

  • カトリック
    ほとんど全員カトリックなお国柄で、クリスマス前後の24午後~26日までの間は、お店は基本全部閉まってます。 ただ、ガソリンスタンドはやっぱりしっかり開いているし、併設ストアもやってる。勤勉。すごい。

  • 治安よし、マナーよし
    首都の道路歩いていて、全然車のクラクションの音が聞こえてこない……他の諸外国で、体験したことのない感じ。日本より静かなのでは?(クリスマス休暇明けは、学校は休みだが仕事は普通にやってる)
    夜道も普通に女性が独り歩きしているのを見るし、ヨーロッパの中でも相当に治安が良いのでは。
    とはいえ、一部の移民が悪さをしてしまうようではあるけれども。

  • スターリン嫌い
    みんな挙って、「アレはスターリンが遺し(てくれやがっ)たもので~」と口々に言うw

  • 日本好きが多い
    日本人好かれているようです。人の空気感が似ているからなのかもしれない。

食事

  • すばらしい
    本当に。ポーランドだったら普通に暮らしていけるような食事事情。

  • 脂・味付けが全体的に抑え目
    海外旅行では、かなりギットギトだったりして胃もたれしてしまう経験をしている人が多いと思うのですが、全然そんなことなかったです。
    特に、デザート類とかは、ヨーロッパ諸国・トルコあたりでは「あますぎなにこれやばい」ものが多いと思うのですが、そもそもの糖分量も控え目だし、生の果物をふんだんに使って酸味を出すことでさっぱり感が強くなっている。

  • 生野菜・果物が豊富
    海外へ行く時は、生野菜を食べられなくなる覚悟をしていくことが多いのですが(温野菜多いよね……レタスとかタマネギとかトマトとか、ハンバーガーについてりゃいいやーな感覚)ほぼ毎食、新鮮な生野菜が。嬉しい誤算。
    ドレッシング類も、変な油まみれのものとかなくて、生野菜の風味を殺さず。
    果物も、柑橘類・ベリー類をよく好んで食べているよう。

  • ザワークラウト(キャベツの酢漬け)
    ポーランドでもよく食べられるようですが、ドイツのとは味が結構違っていて、酸っぱさが控え目でした。

  • 水道水が飲める
    いや、あまり飲まない方がよいものではあるのだけれど。ただ、これのおかげで、レストランに入って、水が無料で置いてあります。だいたい、グラスボトルにレモンを入れておいてくれていて、これである程度の殺菌作用をはかっているのでしょう。ミネラルウォーターを全然頼まずに済んだのがこれまた大きかった。

  • ホテルの朝ビュッフェ
    種類・数の少ないコンチネンタル(ヨーロッパ大陸)式がデフォルトだと覚悟して行ってみたら、いわゆるアメリカンよりもさらに豊富な贅沢尽くしの朝ビュッフェが全ホテル通してでした。ハチミツ食べ放題なので、某熊さんの気持ちがよく分かるようになった。

物価

安い。マジで安い。だいたいユーロ圏の物価の1/3~2/3くらいで抑えられている相場ではないでしょうか。

オススメの品

  • ハチミツ
    養蜂国ということで、ハチミツ超おすすめ。向こうで一番メジャーらしいMIODというメーカーのものを買い込んできたけれど、日本ではネットショッピングでも入手できなそうだ……
    トロトロで甘すぎない甘さで、しかも安い。日本だと、750gで中国産ハチミツが1,000円近かったりするけれど、MIODの750gが350円くらいで買えてしまう。ポーランドに住みたくなった。
    あと、ハチミツ酒がメジャーで、空港で買おうかなーと思っていたのだけれど、空港で時間全然とれなくて敢え無く入手断念。悔しい。

  • ドーナッツ
    地元民が行くスーパーで、円換算15円くらいで売ってたりする。日本で買ったら200円くらいするような品質。こんなんこのコスパで食べたら、チェーン店ドーナツ屋でなんて買えなくなる……

  • ソーセージ
    超美味しい、種類多い。チーズとヨーグルトとあわせて、よく消費するようです。

  • ドライフルーツ・ナッツ類
    このあたりも安くて豊富。何となくこのあたりの感じはトルコっぽい。

偉人

  • ショパン好き
    何かもう当たり前だけれど、みんなショパン好きですね。あちこちショパンが流れている。逆に流れすぎていて、実は嫌い、という人もいそうだけれど。

  • コペルニクス好き
    これが意外でした。コペルニクスはトルン生まれのポーランド人なんだよッ!!推しをしまくっています、国を挙げて。まあ、ドイツがコペルニクスはドイツ人なんだよッ!って主張してきているからには、対抗せねばならんということではあるのでしょう。日本海と呼称するか東海と呼称するかという問題にも似ているような気はした。違うけど。

  • ヨハネ・パウロ二世好き
    愛されてますね、元教皇。像があるところでは、よく、人が通りすがりにしゃがんで礼をして行く姿を見かけました。

オシフィエンティム

いわゆるアウシュヴィッツ、ビルケナウ。
もう、想像していたよりはるかに重かった。
いや、ピュシスがそれなりに、平均的地球人より歴史に明るいからそう感じてしまうセンサーが発達しているが故、というのは、もちろんあると思うのですけれど。ただ、明るめな日本人女子高生が、入ってから十数分で、「怖い」と泣き出していたので、やっぱり誰しもがかなりのものを感じるようです。

以下、ちょっと重めの話。

今回、ポーランドはかなり暖冬のようで、オフィシエンティムは訪問時はマイナス3度くらいでした。寒いときだと、マイナス20度くらいはザラなようで、実際、強制収容があった当時はそのくらいの気温にまで下がっていたとか。
当時の収容所では、猫くらいの大きさの鼠がよく出没して、餌を欲して死体を食べようとしたけれど、ガチガチに凍って固まってるから、まだ生きている弱っている人に狙いを定めてくるとか、逆にソレを肉の塊として狙う人間側とか、凄惨な戦いもあったようです。

わずかながら残っている、出荷前の髪の毛(「処理」される前に)というのも見ましたが、「わずか」でイメージする量ではなくて、10メートル×5メートル×高さ1メートルくらいに積み上がるような量のものが、薄暗い部屋の中、透明ケース内に展示されていたり。それを梳かしていたであろう、千を超える大量の櫛やブラシが展示されていたり。
ここで展示されている「結果」が残った、つまり、それまでにあった過程を、サラリーマン的にこなしている人達がいたということは、やはり、一人の人間としては、メタ認識を持っておくべきことだろうな、と。

書ききれないくらい多くのことが、決して広くない面積内に凝縮されていて、負の遺産として世界遺産に登録されていることがこれほどまでに当たり前だと思えるようなところは、今までありませんでした。

レイというキャラを書いた身として、本当に貴重な体験ができたのは確かです。
30年代~40年代、そして、50年代に、彼が何を考えていたのか、今なら、もう少し分かる気がします。
また近いうちに、彼に出会える場を設けられたらと考えています。